日本食品保蔵科学会誌
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パーシャルシール包装による葉ネギの鮮度保持技術
パーシャルシール包装技術の開発に関する研究 (第3報)
鈴木 芳孝今堀 義洋上田 悦範
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2005 年 31 巻 1 号 p. 25-29

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抄録
青果物をフィルムで機械包装する際に溶着する部分に微細な空隙部を残してガス透過性を調整するパーシャルシール包装を葉ネギに応用し, 実用的な出荷法について検討した。
葉先枯れの抑制効果および異臭の発生を考慮すると, シール部幅3mmの斜め目, 溶着幅7.6mm, 非溶着幅2.4mmのシール形状が葉ネギのパーシャルシール包装として適していると考えられた。葉ネギ1束100gを厚さ25μm, 大きさ85mm×680mmのOPP製袋で包装する夏季の輸送シミュレーション試験では, 有孔包装と発泡スチロール容器を組み合わせた現行法に比べて, パーシャルシール包装と段ボール箱を組み合わせた新出荷法では袋内が低濃度酸素・高二酸化炭素状態で安定して維持され, 葉先枯れの発生が著しく抑制されるとともに, 糖および還元型アスコルビン酸含量が保持された。これまでのパーシャルシール包装はニラに適したシール形状であったが, シール形状を変更することによって, 袋のガス透過性を微量に調整でき, ニラ以外の青果物についても応用できることが明らかとなった。
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