日本食品保蔵科学会誌
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パーシャルシール包装によるナバナの鮮度保持技術
パーシャルシール包装技術の開発に関する研究 (第4報)
鈴木 芳孝宮崎 清宏石川 豊今堀 義洋上田 悦範
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2006 年 32 巻 1 号 p. 23-27

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抄録
青果物をフィルム包装する際, 溶着する部分に微細な空隙部を残してガス透過性を調整するパーシャルシール包装をナバナに応用するために包装資材およびシール形状について検討した。
1束100gのナバナを大きさ150mm×220mmの袋でパーシャルシール包装するときに, 厚さ25μmのOPPフィルムを用いた場合には, シール部幅4mmのタテ目で溶着幅0.4mm, 非溶着幅0.6mm (1型) およびシール部幅3mmの斜め目で溶着幅7.6mm, 非溶着幅2.4mm (2型) のシール形状ともに袋のガス透過性が不足して異臭が認められた。一方, 厚さ40μmのOPSフィルムを用いた場合には, 2型のシール形状ではガス透過性が不足したが, 1型のシール形状では異臭が認められず, クロロフィル, 糖およびアスコルビン酸が高く保持された。OPSフィルムを用いたパーシャルシール包装の空隙部の断面については, 1型のタテ目のシール形状では隙間が広くなったのに対して, 2型の斜め目のシールでは狭いことが観察された。以上から, OPSフィルムを用いたパーシャルシール包装 (1型) は, ナバナの鮮度保持に有効であると考えられた。
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