Journal of Applied Glycoscience
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全粒粉キノア粉とリパーゼ添加が小麦粉の化学的, レオロジー的および製パン特性に及ぼす影響
朴 商夏前田 智子森田 尚文
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2005 年 52 巻 4 号 p. 337-343

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抄録
2種類の全粒粉キノア;石臼挽きキノア粉 (SMQ) とローラー製粉機挽きの焙煎キノア粉 (RMRQ) における化学的特性, レオロジー的特性および製パン特性について検討した. 小麦粉に対してSMQとRMRQの代替量が増えると (30%, w/wまで) 比容積は顕著に減少したが, リパーゼ (7.5×103U/g) の添加により30% (w/w) 代替RMRQ以外では有意に増加する傾向を示した. また, パンの硬さはリパーゼを添加したSMQとRMR代替パンクラムでは, 無添加の場合に比べ明らかに減少した. SMQとRMRQ代替ドウではリパーゼの添加により無添加よりも生地の粘性の低下が認められ, デンプン-脂質複合体の融解に伴うエンタルピー変化 (ΔH2) は若干増加した. SEM観察ではSMQの代替量が増加するにつれ, 良好なグルテンのドウは形成できなかった. しかしリパーゼの添加により, 伸展性の良いグルテンを形成し, 充分に澱粉粒を包み込むことができた. これらの改善効果は, 製パン中にリパーゼが油脂を酵素分解することで増加されたモノアシルグリセロールおよびジアシルグリセロールの天然乳化物としての作用によると考えられた.
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© 2005 by The Japanese Society of Applied Glycoscience
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