Journal of Applied Glycoscience
Online ISSN : 1880-7291
Print ISSN : 1344-7882
ISSN-L : 1344-7882
Notes
Aspergillus niger 由来組換え α-グルコシダーゼのEmericella nidulans での過剰発現,精製および諸性質
小川 真弘西尾 俊幸箕浦 佳代魚住 武司和田 昌人橋本 典子河内 隆奥 忠武
著者情報
ジャーナル フリー

2006 年 53 巻 1 号 p. 13-16

詳細
抄録
Aspergillus niger GN-3由来のα-グルコシダーゼの遺伝子(aglA)を含む発現用プラスミドを構築し(Fig. 1),Emericella nidulans JCM10259に挿入して組換え酵素を発現させた(Fig. 2).組換えα-グルコシダーゼは,培養液1リットル中に約61mg分泌されていると見積もられた。組換え酵素は,培養液より硫安塩析,2回のイオン交換カラムクロマトグラフィー,およびゲル濾過カラムクロマトグラフィーにより精製された.精製組換え酵素は,Aspergillus niger GN-3由来のもの(野生型酵素)と同様に,二つのサブユニットから形成されていることが確認された.組換え酵素は,野生型酵素よりも分子質量が若干小さいことがSDS-PAGEにより確認された(Fig. 3).これは,酵素タンパク質に結合している糖鎖が,両者間で異なることに起因するものと推測される.酵素活性の最適pHや基質特異性については,組換え酵素と野生型酵素では同じであった(Table 1).
著者関連情報
© 2006 by The Japanese Society of Applied Glycoscience
前の記事 次の記事
feedback
Top