Journal of Applied Glycoscience
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Burkholderia cepacia No.24 株休止菌体による乳糖からラクトビオン酸への微生物変換
村上 洋瀬古 亜紀子安積 真澄木曽 太郎桐生 高明北畑 寿美雄島田 裕司中野 博文
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2006 年 53 巻 1 号 p. 7-11

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抄録
休止菌体を用いた微生物変換法によるラクトビオン酸(β-O-D-galactosyl D-gluconic acid)の生産について検討を行った.酸化触媒の微生物菌株には,糖酸化活性と高濃度の乳糖に対する耐性をもち,かつβ-ガラクトシダーゼ活性をもたないBurkholderia cepacia変異株を用いた.高力価の菌体の調製は,乳糖10%,コーンスチープリカー3%,酵母エキス0.02%,炭酸カルシウム1.5%を含むpH7.0の培養基を用い,28℃で216時間振とう培養することにより行った.菌体の糖酸化活性は,pH 6.0,55℃で最も高く,pH 5-9の範囲,40℃以下で安定であった.反応最適条件は,洗浄した休止菌体2.0 U/mLを15%の乳糖と2.2%の炭酸カルシウムに40℃で作用させることで,このとき乳糖は約15時間でほぼ完全にラクトビオン酸カルシウムに変換された.触媒として反応に使用した菌体は,回収し数回繰り返し使用した.反応初速度は温度に依存し,30,35,40℃におけるおのおの27,18,15時間後の変換率はすべてほぼ100%であった.しかし5回目の繰り返し反応では,完全変換に必要な時間がおのおの54,36,30時間と遅延した.発酵と異なり反応液に培地成分を含まず不純物が少ないため,また変換率がほぼ100%と高いため,高い単離収率(99.3%)のラクトビオン酸カルシウムが得られた.
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© 2006 by The Japanese Society of Applied Glycoscience
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