澱粉科学
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液体クロマトグラフィーによる糖質分析
(第1報)紫外部吸収測定による糖類の検出定量
飯島 淑子
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1974 年 21 巻 2 号 p. 124-130

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抄録
 糖類の液体クロマトグラフィーにおける検出法として,溶出液そのものを加熱し発現するUV吸収から直接糖類を検出定量する方法を開発,液体クロマトグラフ装置工程を簡易化した。 通常,糖の液体クロマトグラフィーに用いられる溶離液の稀薄糖液は,加熱により260~270mμ に極大吸収をもつUV吸収を生じる(fructoseの場合,furfralとformicacidの存在が確認された)。 それらの吸収には,定量性が認められた。 UV吸収強度は,加熱条件と,溶離液に影響される。加熱条件について,190℃,20分まで検討した範囲では,高温,長時間ほどより強いUV岐収が得られた。 最も二般的に使用されているホウ酸緩衝液については,糖の種類により多少相違するが,pHは中性側,ホウ酸濃度は高いほどUV吸収が大であった。 0.8MpH7.0のホウ酸緩衝液中で,190℃9.5分加熱した場合の,単糖,オリゴ糖の分子吸光係数は,260mμ において500~3000であった。 液体クロマトグラフィーへの適用条件としては,カラム外効果をさけるためにも,なるべく高温,短時間加熱,加熱反応コイルの径は細いほうが(0.5mmφ)好ましい. 加熱時間は,加熱反応コイルの径,および長さと,溶離液の流速との関連で調節する。 本法の分析精度は,変動係数として3.5%以下で,従来法の分析精度に匹敵した。 現状では,他の比色法と同様,sorbitolなどの糖アルコールへの適用は困難である。 装置面の改良と共に,検討の余地が残されている。
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© 日本応用糖質科学会
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