澱粉科学
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米の食味と理化学的性質の関連
竹生 新治郎渡辺 正造杉本 貞三酒井 藤敏谷口 嘉廣
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1983 年 30 巻 4 号 p. 333-341

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抄録
 水稲うるち米10点について,官能検査による食味評価を行い,それと同時に理化学的性質を測定し,両者の関連を統計的方法によって検討した. 相関係数では,官能検査の総合評価と相関の高い理化学的性質は,精米のタンパク質,精米粉のアミログラフ特性のうち,最高粘度,最低粘度,ブレークダウン,精米の炊飯特性のうち,炊飯液のヨード呈色度,米飯のテクスチュロメーター特性のうち,硬さ,付着性であった. また主成分分析では,官能検査による味,粘り,総合評価と精米のタンパク質,アミロース,精米粉のアミログラフ特性(最高粘度,最低粘度,ブレークダウン,最終粘度),炊飯液の特性(ヨード呈色度,溶出固形物),米飯のテクスチュロメーター特性(硬さ,バランス度,ガム性,付着性)などが同一主成分を構成した. 以上の結果から,精米のタソパク質,アミロース,精米粉のアミログラフ特性のうち,最高粘度,最低粘度,ブレークダウン,精米の炊飯特性のうち,炊飯液のヨード呈色度,米飯のテクスチュロメーター特性のうち,硬さ,付着性などは食味と関係ありそうな項目であり,理化学的測定による食味評価の指標として有望であると推定した.
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© 日本応用糖質科学会
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