抄録
マソグローブ胎生芽(タイ国産を主として使用)には乾量ベースで28%にも及ぶ澱粉が含まれることがわかった.澱粉粒は組織繊維間にはさまれながら散在し,形は卵型ないし楕球型で長軸が10~8μm,短径が5~3μmであった. 胎生芽を温水に浸し,次いで機械的に砕いたのち等量の水を加え,それに組織溶解のため,ペクチン分解酵素,澱粉糖化のためグルコアミラーゼ,また発酵のため酵母を加えアルコール発酵試験を行った.分離した澱粉はグルコアミラーゼで容易に分解されたが,アルコール発酵試験の結果は必ずしも満足すべきものではなかった.これについて々の考察を行い,発酵条件に工夫を要することを指摘した.