ソバ種子胚乳部から水で抽出され,DEAE-セファデックスカラムクロマトグラフィーにより精製されたグルコースのみから成る多糖はゲルクロマトグラフィー,IR分析,メチル化分析,酵素分解の結果から,重量平均分子量14,800,平均鎖長15.3のα-グルカソであると同定した.さらにこの多糖をβ-アミラーゼで処理し調製したβ一リミットデキストリソをイソアミラーゼおよびプルラナーゼで分解し,その分解物の鎖長分布を求めた.マルトースとマルトトリオース(A)および重合度4以上の画分(B)の末端基量の比(A/B)が約1.2であること,またマルトースとマルトトリオースの量比がほぼ1:1であったことから,この多糖はMeyerのモデルに似た構造を有し,A鎖の鎖長は偶数,奇数ほぼ同数から成っていると判断した.