抄録
タマリンド種子から精製されたキシログルカンをβ-(1→4)一グルカナーゼで分解して得た入糖(D-xy-10se:D-galactose:D-glucose=3:1:4)をウシ血清アルブミンに結合させて調製した抗原を用いてウサギを免疫した.ウサギ血液中に産生された抗血清は抗原のほか,タマリンドキシログルカンとも反応した.血清とキシログルカンの抗原抗体反応のオリゴ糖による阻害実験から得られた抗体は八糖に含まれるβ-D-galactosy1-(1→2)-α-D-xyloseやα-D-xyloseの側鎖を認識することが明らかになった.この抗体を蛍光または酵素標識された2次抗体を用いる組織化学的免疫染色法に応用したところ,大豆子葉組織に含まれるキシログルカンは1次細胞壁に限定して存在することがわかった.