抄録
Aspergillus oryzae由来の3種のα-グルコシダーゼを,"タカジアスターゼ"原粉末より,DEAF-SepharoseおよびCM-Sepharoseを用いたイオン交換クロマトグラフィー,調製用電気泳動法,Toyopearl HW-55を用いたゲル濾過等により精製した.猷グルコシダーゼI,II,III と名付けられたこれらの酵素はいずれも電気泳動的に単一であった.分子量:はSDS電気泳動法により107,000と算出された.至適pHはいずれの酵素反応においても4.0であった.マルトース,可溶性デンプン,フェニルα一マルトシド,フェニルをグルコシドに対する速度パラメーターを求め,いずれの酵素もマルトースと同様に可溶性デンプンやフェニルα一マルトシドに良く作用し得るが,フェニルα-グルコシドに対する作用は小さいことを明らかにした.