抄録
1994年,1995年にわたり,7品種の甘藷を,標準,早掘マルチ,長期マルチの条件で栽培した.肉色,栽培条件,年次が,澱粉,繊維質含量および澱粉特性,すなわち,アミロース含量,示差走査熱量計による糊化特性に与える影響について調べた.肉色がオレンジの品種は,白色や紫色のものに比べ,繊維質含量に対する澱粉含量の割合が低く,アミロース含量は高かった.栽培条件の違いにより,示差走査熱量計で求めた澱粉の糊化開始温度,糊化温度範囲,糊化熱の差異は大きかった.早掘マルチでは糊化開始温度が高く,糊化温度範囲が小さかった.標準栽培による澱粉の糊化熱は他の栽培条件と比べ小さかった.