Journal of Applied Glycoscience
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3-ο-メチル-D-ガラクトースを含むクロレラβ-D-ガラクタン
小川 和鋭荒井 昌紀長縄 博池田 洋子近藤 信一
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2001 年 48 巻 4 号 p. 325-330

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抄録

 Chlorella vulgarisK22株(クロレラ工業)藻体より,中性多糖を得て,化学構造を検討した.部分酸加水分解法で,3種の新規な二糖,6-O-(3-O-methyl-β-D-galactopyranosyl)-D-galactopyranose,6-O-β-D-galactopyranosyl-3-O-methyl-D-galactopyranoseと6-O-(3-O-methyl--D-galactopyranosyl)-3-O-methyl-D-galactopyranose,およびβ-1,3-,β-1,6-結合のガラクトニ糖あるいは三糖を得たことから,この中性多糖は新規なβ-D-ガラクタンである.さらにこの中性多糖とその部分分解多糖のメチル化分析より,主鎖にβ-1,3-結合を,側鎖にβ-1,6-結合を含むこと,分岐領域にはβ-1,6-結合の3-O-メチル-D-ガラクトース残基をもつこと,また,側鎖の長さはこのモノメチル化糖を含めて14ガラクトース残基であることが示唆された.

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© 日本応用糖質科学会
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