2017 年 22 巻 1 号 p. 61-70
本研究の目的は,愛媛県内の特別養護老人ホーム(以下,特養)における,看護職と他職種との連携および看取りの事前意思確認状況の実態を把握するとともに,看取りに関連する要因を明らかにすることとした.調査対象者は愛媛県内の特養(94施設)に勤務する看護職で,アンケートによる質問紙調査を行い,37施設より回答を得た.看取りに関する意思確認が実施される時期は,最も高率なのは状態が悪化したときで91.9%,ついで入所時が70.3%であった.入所時の意思確認に看護職が参加している施設は24.3%と少なかった.看取りとの関連では,医師の看取りに対する態度,看護職間の連携,看護職の勤務形態で有意差が認められ,看取りが高率な施設では,医師が看取りに積極的であること,看護職間の意見交換が活発であること,看護職が遅出勤務をしていることが明らかになった.特養の看取りを促進するためには,看護師が医師との連携をとり夜間の介護職をサポートすることが重要であることが示唆された.