2019 年 11 巻 2 号 p. 15-29
本研究の目的は、国際的視点からSNS広告に対する消費者の反応を解明することである。具体的には、関連領域の先行研究からSNSの利用動機、SNS広告に対する態度、SNS広告に対する行動意向といった概念を取り上げ、各構成概念間の関係を実証分析によって明らかにする。同時に、これらの消費者反応における国籍の影響についても検討を行う。分析に当たっては、日本と韓国の大学生を対象に実施したアンケート調査結果を元に、共分散構造分析を用いた。
その結果、まず、SNS広告に対する態度とSNS広告の利用意向との間には正の関係があることが判明した。また、社交的動機はSNS 広告に対する態度に影響を与えるだけでなく、SNS広告の利用意向にも直接影響を及ぼすことが明確になった。さらに、日本と韓国の大学生を比較した場合、各構成概念の関係において高い類似性が確認された。これらの分析結果から、SNS広告の国際展開に関する理論的・実践的インプリケーションを提示する。