本稿は,留学経験を持たない大学生英語学習者の英語にまつわるインタビューでの語り(narrative)を分析し,語りに表出される英語教育とアイデンティティの関わりを明らかにすることを目的とする.大学生英語学習者の二度にわたるインタビューでの語りからは,英語に対する多元的なイメージを内包しながらも,外国人とのコミュニケーションに憧れを持つ者として自らのアイデンティティを構築していく様子が見られた.これは国内の英語教育のコンテクストでの「コミュニケーション」の多義性や「コミュニケーション」重視の風潮を反映しているものであると考察できる.