抄録
本研究では,発達障害者の心身のリラックスに向けてオンライン動作法を実施し,その効果やオンラインコンテンツとしての適用可能性について検証した。5名の対象者に,3日間連続でオンライン動作法を実施した。心身のリラックス効果を評価するため,事前事後にPOMS2という質問紙を実施した。また,動作法評定基準によりやりとりの質を評価する中でリラクセイションの進展を検証した。結果として,POMS2の事前より事後のTMD得点が5名中4名についてポジティブな気分状態へと変化した。また,オンライン動作法のやりとりの質が高まることが,リラクセイションにつながりやすい要因の一つであることも示唆された。これらの結果から,オンライン動作法が発達障害者の心身のリラックスに対して一定の効果がある可能性や発達障害者の心身のリラックスに向けたオンラインコンテンツとして適用でき得る支援方法である可能性が示唆された。