2018 年 9 巻 2 号 p. 105-111
〔目的〕マラウイ共和国の僻地に生活する脳性麻痺児に対する集中理学療法とCommunity Based Rehabilitation がもたらす効果について検討することを目的とした. 〔対象と方法〕脳性麻痺両麻痺GMFCS レベルⅢである5歳男児1 名を対象とした.運動機能評価にはGMFM−88 を使用し,減点項目である立位と歩行を中心に訓練プログラムを作成し,母親とコミュニティのボランティアが中心となって訓練を行った. 〔結果〕GMFM−88 の立位項目のみ変化を認めた.集中理学療法開始時と終了時では8%増加,2 ヶ月後には26%,合計34%増加した.また,CBR マトリックスについても改善を認めた. 〔結語〕2 週間の集中理学療法と家族・ボランティア指導を併用することで,運動機能の向上だけでなく,参加した家族・ボランティアが共同し理想的なCBR 介入を促した.