2023 年 43 巻 p. 810-819
目的:島嶼で活動するNP教育課程修了者に焦点を当て,彼らが島嶼で実施している看護実践を明らかにする.
方法:NP教育課程修了者4名に半構造化面接を実施し,質的記述的分析を行なった.
結果:島嶼で活動するNP教育課程修了者の看護実践として,【島の文化に根ざした個人の価値観を基盤とした看護・医療を実践する】,【治療の選択肢を広げるため島の限られた資源の活用範囲を変革する】,【島民の力を結集してケアを創り出す】,【予防から死に場所まで臨床判断に基づき生活者の視点で支える】実践をしていた.
結論:島嶼で活動するNP教育課程修了者の看護実践には,ホリスティックな視点を基盤に高度なリーダーシップとコーディネーション,コラボレーションのコンピテンシーが発揮されていた.今後は,NP教育課程修了者の実践がどのように患者・家族に望ましい変化をもたらすのかを評価し,看護実践の成果をより適切に捉えていく.