沙漠研究
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小特集
我が国における営農型太陽光発電の現状
鎌田 知也
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2019 年 29 巻 2 号 p. 75-80

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抄録

営農型太陽光発電,いわゆるソーラーシェアリングは農地での営農を継続しながら農地を立体的に活用しほ場内に支柱を立てて太陽光パネルを設置・上部空間で発電を行うことで,営農と発電を両立する取り組みである.太陽光発電をはじめとする再生可能エネルギー電力は地球温暖化対策や原発依存体制からの脱却,エネルギー安全保障政策等重要な役割を担っているが,営農型太陽光発電はそれらに加え売電収益による農家所得の向上や農業経営の下支え,荒廃農地の再生等,農業・農村が抱える課題解決の一つのツールとしても注目されはじめており,農林水産省としても健全な営農型太陽光発電の取り組みを促進しているところである.地球規模でも限られた土地や水資源を有効活用し,食料や持続可能で安価な電力供給の面で営農型太陽光発電の潜在力は大きい.本稿では,営農型太陽光発電をめぐる背景及び経緯,期待される効果,現状と課題,海外展開への可能性等について触れる.

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© 2019 日本沙漠学会
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