本研究は心電図・血圧を中心とした電話伝送在宅健康管理システムが在宅生活において生活質(QOL)を著しく阻害する発作性心房細動(Paf)患者の精神面に与える影響を検討することを目的とした.難治性Paf患者10名(男/女=9/1,平均年齢59±10.3歳,抗不整脈薬平均使用数5±2.0種)を対象として,平均20±7.1週の評価期間に1313回の心電図と1012回の血圧を記録送信させ,評価終了時に被験者へのアンケート調査を実施した.自分が持つ病気に対して被験者の全員に「不安感」があり,「神経質な」性格を認めた患者が90%におよんだ.「病気が心配で遠出をしなくなった」と回答した患者が80%であり,外出範囲が制限されていたが,本システムの利用により,「安心感があった」と回答した患者が90%であった.本システムが難治性Paf患者に対する精神的不安感を改善させることが明らかになった.