2024 年 8 巻 s2 号 p. s131-s133
デジタル化が進むアニメの制作工程において、CG(コンピュータグラフィックス)は欠かせない技術となっている。筆者は科学研究費助成事業基盤研究(B)『「アニメ中間素材」の分析・保存・活用モデルケースの学際的研究』に参加しており、新潟大学アニメ・アーカイブ研究センター(ACASiN)が2016年に構築した「アニメ中間素材オンライン・データベース(AIMDB)」をアニメ制作に携わる実務家に試用してもらい、その有用性や課題について取材を行った[1]が、紙に鉛筆で描画する作業が起点となる作画アニメーションに対して、全てがデジタルデータとして構築されるCGのアーカイブについての先行研究は少ないことから、10年ぶりに続編が制作される『楽園追放心のレゾナンス』がどのように前作のデータを活用しており、アーカイブに関してどのような可能性や課題があるのかを制作に携わる実務家に聞いた。