2003 年 23 巻 1 号 p. 15-22
医療の質評価に必要な変数を明らかにすることを目的として,肝および肝内胆管の悪性新生物,白内障・水晶体疾患のうち,代表的な診断群分類における入院日数の分布および入院日数の長さに影響を与える要因について分析した.疾患全体の入院日数の分布は,それぞれ平均値より短い値側に偏った緩尖な分布を示した.手術名,処置や副傷病名の有無により細分化された診断群分類においても,入院日数の分布に大きなばらつきが見られた.また,入院日数が全国データの平均在院日数未満に属する者は全体の約半数であった.入院日数の長さの違いは,包括評価制度用に収集した変数,すなわち,処置,併存疾患や後発症の有無だけでは説明できなかった.今後,入院日数以外の臨床的アウトカムの指標の開発や,診療のばらつきを説明できる患者要因,当該疾患の治療前の重症度,併存疾患,さらには院内の診療体制に関する変数を含んだデータウエアハウスの構築が必要である.