2003 年 23 巻 2 号 p. 121-126
筆者らは,遠隔リハビリテーションの訓練モニター像から画像解析により関節可動域を計測するシステムを開発してきた.このシステムを健常者に適応し療法士の要求を満たす性能を得たものの,実患者については,手に拘縮が起きた像のため,誤差が大きくなる等の課題が明らかとなった.
このため実患者の症例に対して高い精度で計測できるように,クラスター分析時に検出する軸について検討を加えてきた.そして従来は手の関節可動域を基本軸と移動軸の2軸で計測していたが,このたび解剖学的に妥当である3軸を検出し計測する方法を考案した.これによるシステムを実際の橈骨遠位端骨折患者9名の計測に適用し,2軸モデルによる計測データと3軸モデルによる計測データを統計的に比較した.
その結果,3軸モデルによる方法で,実患者に関して従来の2軸モデルに比べ,より精度高く定量データとして計測できることが判明した.これにより新しいシステムが,実患者のリハビリ訓練指導に使えることが明らかとなった.