2005 年 25 巻 4 号 p. 249-255
川崎医療福祉大学医療情報学科では,医療現場の実情に対応し得る教育を目指し,平成13年から「電子カルテ・ラボ」システムの開発を進めてきた.本システムは,電子カルテシステムが導入された場合に,これを支援する人材に必要と考えられる知識・技能を,学生が演習を通じて習得することを目的としている.システムの機能は大きく1)電子カルテシステムを中心とした機能,2)学習支援機能,3)教材作成支援機能からなる.学習支援機能は,患者の動線に沿った画面から構成される.画面ごとに,学習目標,理解を助ける解説,各部門で行う業務システムによる入力演習,確認のための試験問題を用意している.本システムを演習で使用し,学生にアンケートを実施した結果,電子カルテシステムや病院の仕組みを学ぶ上で有用であることが示された.