医療情報学
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研究速報
地域における診療情報提供書管理データからの患者動態抽出の提案
土居 茂雄島井 健一郎津崎 久宣大野 実野口 邦晴平澤 英紀細田 高
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2007 年 27 巻 3 号 p. 297-303

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抄録
 昨今,医療連携が複数の地域で推進されている.医療連携の形態は様々であるが,地域医療という観点からは,各医療機関の役割を明確化する必要がある.このための一手法として,地域における患者動態の分析が考えられる.地域における患者動態を観察するためには,病院間での患者紹介の際に用いる診療情報提供書を利用できる.紹介患者の動態分析からは,他院から見た自院の特徴となる診療科や疾患が把握できる.
 本研究では,まず単一の医療機関での診療情報提供書の紹介元医療機関と地区を取得できるようなシステムを導入した.つづいてこのシステムから取得できるデータを,別途病院で取得しているDPC(Diagnosis Procedure Combination)のデータと組み合わせ,MDC(Major Diagnosis Category)分類の分布を求めた.また,MDC分類のうち循環器系疾患に着目し,その中でのDPC傷病分類の分布を求めた.最後に,紹介数の多いDPC傷病分類について,どの地区の医療機関からの紹介が多いかを分析した.その結果,DPC傷病分類により紹介元医療機関の地区の分布が異なることが示唆された.
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© 2007 一般社団法人 日本医療情報学会
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