本研究は少子化社会における周産期医療体制,特にNICU病床の適正配置を検討することを目的とし,推計出生数と地理情報を用いてNICU病床需給比を推計した.現状の北海道のNICU病床数を基準とした出生1万人あたり50床シナリオに加え,40床(低需要)および60床(高需要)シナリオを設定し,2025年から2050年までのNICU病床需給比の変化を三次医療圏別に分析した.その結果,いずれの医療圏でもNICU病床需給比は減少傾向にあるものの,道央および十勝医療圏は,他の医療圏と比較して減少の傾きが緩やかであり高値が維持された.一方,道北および釧路根室医療圏では2025年から2050年にかけてNICU病床需給比が大幅に低下した.この2医療圏ではNICU病床の過剰供給と非効率的利用の可能性が示唆され,NICUや専門医等の機能や人材の集約化・重点化について早期検討の必要性を示す結果となった.本研究は,少子化社会に対応した周産期医療体制の再構築に向けた基礎資料を提供するものである.