主催: 日本岩石鉱物鉱床学会
丹沢山地は、神奈川県北西部に位置し、都心から約50kmの距離にも関わらず、豊かな自然が残された山地である。近年、酸性雨などに起因する酸性沈着による森林生態系への影響が危惧され、表層水の酸性化は主要な環境問題である。本研究は、2001年∼2005年の期間に丹沢山地河川水の溶存成分濃度のモニタリングを行った。毎月1回、4地点の河川水と湧水の採取・分析を行った。現地にて、気温、水温、pH、電気伝導率、溶存酸素を測定した。河川水を0.45μmフィルターでろ過・採水し、フレーム原子吸光法でNa+, K+、ICP発光分光分析法でMg2+, Ca2+, Al3+, SiO2, PO43-、イオンクロマトグラフ法でCl-, NO2-, NO3-, SO42- 、0.1M硫酸滴定法でHCO3-について溶存成分の評価を行った。2001年5月_から_2002年5月の水試料について、表面電離型質量分析装置を用いてSr同位対比を測定した。