日本岩石鉱物鉱床学会 学術講演会 講演要旨集
2005年 日本岩石鉱物鉱床学会 学術講演会
セッションID: G6-09
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G6:岩石・鉱物・鉱床学一般
同位体組成から考察した嶺南岩体片麻岩の起源
*宮本 知治
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抄録
 嶺南地塊南西部のGuRye市近傍で採取された斑状片麻岩は角閃岩相の変成作用を被っている。22-18億年の砕屑性ジルコンを多数伴い、最後の変成作用は1億8千年前である。砕屑物の起源は近傍の花崗岩で、運搬・堆積時の分別は少ないと推定される。この片麻岩のSr・Ndモデル年代を求めると、およそ22-25億年を示す。モデル年代は原岩の形成時期を反映している。  京畿・嶺南地塊を構成する変成岩のRb-Sr同位体組成は多数報告されている。そのRb-Sr同位体組成をアイソクロン図上に投影すると、京畿・嶺南両地塊の変成岩の組成は線状に重なって分布する。この線状の分布はおよそ20億年の傾きを示す。京畿地塊・嶺南地塊ともに20-26億年のSrモデル年代を示す変成岩、特に花崗片麻岩が多い。嶺南地塊には、12-10億年のモデル年代を示す片麻岩も多い。報告例は少ないが15-14億年を示す全岩年代や鉱物年代も報告されている。同等の年代を示すジルコンは嶺南地塊からは見いだされていない。これらの結果はジルコンでは見いだせない造山活動の痕跡を検出したと考えられる。  嶺南地塊・京畿地塊の変成岩に関するSrモデル年代値の不確実性は、Nd・Pb同位体組成からも原岩形成に関する時間的情報を手に入れることで解消される。嶺南地塊・京畿地塊の変成岩のNdモデル年代やPb同位体組成はSrモデル年代値と同じく20億年に年代値が集まる。ジルコンのU-Pb年代を含めたあらゆる年代測定の結果は、韓半島における24億年から18億年までの大規模な火成活動を明示する。嶺南地塊および京畿地塊の一部の原生代片麻岩はNCCの一部で、東部NCCと西部NCCの衝突後、古生代末より始まるNCCとSCCの衝突期まで断続的に火成活動を繰り返し、大陸地殻を形成したと考えられる。
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© 2005 日本鉱物科学会
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