抄録
患者は急性骨髄性白血病と診断された22歳女性.入院時,血液型検査において試験管法,カラム凝集法ともに,抗Aに対し,部分凝集を示した.A型転移酵素活性の低下は認めなかった.
寛解導入療法開始後,A抗原の減弱が進行し,入院11日目にA抗原が消失し,赤血球製剤を同日2単位輸血した.14日目にはA抗原が(4+)256倍に回復した.さらに,本例ではA抗原減弱期に一致して,冷蔵保管においてもA抗原の減弱を認めた.しかし,A抗原が回復した以降は減弱を認めなかった.
白血病におけるABO抗原の減弱の原因は明らかにされていないが,本例ではA抗原減弱期に一致して,冷蔵保管による減弱を認めたことから,A抗原の減弱にはA抗原の脆弱性が関係していると考えられた.