2014 年 63 巻 2 号 p. 146-153
2007年度,2009年度,2011年度の3期間に中規模施設4病院において尿,血液由来から分離されたESBL産生腸内細菌4菌種について分離率を調査した.ESBL分離株数の推移については,両材料で外来,入院ともに年度を追うごとに増加していた.ESBL産生菌種別分離比率は,Proteus mirabilisが最も多く,次いでEscherichia coli,Klebsiella oxytoca,Klebsiella pneumoniaeの順であった.特に入院由来でのESBL分離率に施設間差が認められた.リスクファクター患者における入院時の積極的な糞便のアクティブサーベイランスを行うことが院内感染対策上有用であると思われた.