医学検査
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症例報告
前庭性頸筋電位で異常を認めた多発性硬化症小児の一症例
宮本 直樹高森 稔弘福田 千佐子廣岡 保明杉原 進玉崎 章子前垣 義弘
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2015 年 64 巻 2 号 p. 191-195

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抄録
前庭性頸筋電位(vestibular evoked myogenic potential; VEMP)は音刺激により誘発される電位を頸筋,特に胸鎖乳突筋(sternocleidomastoid muscle; SCM)から導出するもので,臨床では球形嚢,下前庭神経,そして前庭脊髄路病変の診断などに応用されている。症例はめまいと眼球異常を主訴とする15歳女児。VEMP検査では左刺激で波形消失を認めた。MRIでは左橋下部腹側と右橋背側部にT2WI高信号域を認め,経過中に大脳白質に病変が出現した。VEMP電位発生経路に含まれる前庭神経核は橋および延髄の背側に位置しており,同部位でのMRI所見とVEMP検査結果は一致しなかった。今回のVEMP検査結果は前庭神経核,または前庭脊髄路の機能異常をとらえたもので,MRIで指摘できなかった病変を反映していると考えられた。
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© 2015 一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
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