抄録
Mycoplasma pneumoniae(M. pneumoniae)によるマイコプラズマ肺炎は,代表的な市中肺炎の一つである。治療の第一選択薬にマクロライド系抗菌薬が推奨されるが,近年マクロライド耐性化が進んでおり,治療の遷延化や重篤化が問題となっている。今回我々は,QP法によるマクロライド耐性マイコプラズマ検出法を構築し,LAMP法,ダイレクトシーケンス法および抗原迅速診断キットとの比較を行った。本検討は,マイコプラズマ肺炎が疑われた71例の咽頭拭い液を検体とし,LAMP法およびQP法のサンプルには抗原迅速診断キットの抽出液の残りを用いた。LAMP法とQP法の比較では,両者の感度・特異度はほぼ同等であった。ダイレクトシーケンス法とQP法の比較では,両法で19件中13件に変異が認められ,両者の一致率は100.0%であった。また,変異を認めた13症例すべてがA2063Gであった。QP法と抗原迅速診断キットの比較では,感度47.4%,特異度76.9%であった。また,抗原迅速診断キットでは,マイコプラズマ肺炎の非流行期で偽陽性が増加する傾向が見られた。QP法は,M. pneumoniaeの感染とマクロライド耐性変異を同時に検出することが可能であり,抗菌薬の適正使用や早期診断に寄与し,診療全体に対する効果は大きいと考えられた。