医学検査
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技術論文
免疫血清項目におけるハーモナイゼーションの可能性についての検討 第2報
斎藤 篤木下 敬一郎河野 久岡田 健西浦 明彦岩上 みゆき松本 祐之
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2018 年 67 巻 2 号 p. 196-203

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抄録

我々は,前立腺特異抗原(prostate specific antigen; PSA),フェリチン(ferritin),αフェトプロテイン(α-fetoprotein; AFP),癌胎児性抗原(carcinoembryonic antigen; CEA)を対象項目として外部精度評価調査試料の適正性の検討を行い,プール血清の有用性について第1報で報告した。今回,機器,試薬メーカー13社を対象として再検討を行った。異なる患者血清を用いて,PSA,フェリチン,AFPでは2系列,CEAでは4系列,5段階の希釈系列の調査試料を作製した。測定を行った結果,PSAでの測定値のCVは8.6~11.9%となったが乖離する値は認めなかった。フェリチンでのCVは13.5~19.5%となり,2機種で試料の由来による差を認めた。AFPでは1機種で1試料のみ乖離する値を認め,CVが10.6%となったが,他の試料でのCVは4.5~7.2%であった。CEAでは異なる臓器癌患者の血清より作製した試料を測定した結果,大腸癌患者由来の試料でのCVの平均は10.9%,乳癌患者由来の試料では19.9%となり,臓器癌の違いにより反応性に差を認めた。

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© 2018 一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
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