2018 年 67 巻 3 号 p. 289-293
高齢者の自律神経機能を評価する場合,短時間での脈拍変動解析(PRV)が心拍変動解析(HRV)の代替法となりうるか,光電式容積脈波記録法(PPG)と心電図記録法(ECG)の同時測定により評価した。被験者を70歳未満,70歳以上80歳未満,80歳以上の3群に分類した場合,すべての群においてPRV由来の周波数成分はHRV由来の周波数成分と強い相関を示したものの,その絶対値は高齢になるにつれて低値を示した。すなわち,PRVは高齢者の自律神経機能を評価するスクリーニング法としては有用であるが,その結果の解釈は,特に80歳以上の高齢者においてHRVで測定した場合よりも過小評価されていることを考慮する必要があるかもしれない。