医学検査
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技術論文
経頭蓋運動誘発電位(MEP)の刺激と上肢の体性感覚誘発電位(上肢SEP)の記録にコークスクリュー電極を両用した術中神経モニタリングの試み
高嶋 浩一中山 泰政小堀 哲雄黒川 暢福田 信齊藤 寛浩
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2019 年 68 巻 4 号 p. 691-698

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抄録

術中神経モニタリング(intraoperative neurophysiological monitorring; IOM)に用いる記録電極に必要な条件は安定した波形が得られること,迅速な装着が可能なこと,そして手術中に絶対に外れないことである。われわれはそれらの条件を満たし,刺激と記録の両方の使用が薬事承認されているコークスクリュー(cork screw; CS)電極を,経頭蓋運動誘発電位(motor evoked potential; MEP)の刺激と正中神経刺激による体性感覚誘発電位(somatosensory evoked potential;上肢SEP)の記録電極に両用することが可能であるかを検討した。その結果,CS電極を両用したIOMはMEPの複合筋活動電位(compound muscle action potential; CMAP)の振幅低下,および上肢SEP波形の振幅低下や増大する現象が,術中の血流遮断による虚血や血栓除去による血流再開通の時期と一致して鋭敏に反応し,また,その波形変化が術後の臨床症状とも合致したことで,臨床応用が可能であることが示唆された。

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© 2019 一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
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