2021 年 70 巻 2 号 p. 349-355
症例は70代,男性。2B型von Willebrand病(von Willebrand disease Type 2B; VWD2B)で当院血液内科に通院していた。高度な貧血症状と黒色便もみられたことから当院に救急搬送され血液内科入院となった。入院時の血液検査で高度な貧血・血小板減少を認め,末梢血液像では大型血小板の凝集像を認めた。経過中に血小板が増加すると血小板凝集像は消失し,血小板減少と血小板凝集像は相関していた。VWD2Bは血小板凝集像がみられる場合があり,exon28の変異に由来するとされている。出血リスク因子である血小板減少と相関する血小板凝集像の確認はVWD2Bにおいて重要である。