メソトレキセート(MTX)は関節リウマチ治療のキードラッグであるが,時に形態異常を伴った造血障害を引き起こし,MDSとの鑑別が困難なことがある。本来ならこの時期に骨髄検査を行うべきではないが,実際には時折検体が提出される。しかしどの程度の形態異常が出現するのか詳細な文献は少ないため,MTX使用患者12例の骨髄細胞形態を解析した。その結果,7例に1系統以上の形態異常を認め,うち3例には環状鉄芽球が10%以上みられた。仮にMTXの使用歴が不明な場合,MDSと診断される危険性があるため,診断時には影響薬剤使用の有無を詳細に検索する必要がある。