医学検査
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技術論文
20歳代健常人における脂肪肝診断のための超音波減衰イメージングの最適カットオフ値の検討
阿部 拓也戸澤 祐貴川村 宏樹渡邊 博昭藤井 豊
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2026 年 75 巻 2 号 p. 289-296

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抄録

近年,若年層における非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)の増加が報告されており,その早期発見と非侵襲的なスクリーニング法の確立が課題となっている。ATI(attenuation imaging)は脂肪蓄積に伴う超音波減衰を定量化する新たな指標として注目されているが,そのカットオフ値は主に壮年期集団に基づいて設定されており,20歳代における妥当性は検証されていない。本研究では,若年健常人におけるATIの脂肪肝スクリーニング指標としての有用性を評価するとともに,この年代に適した最適なATIカットオフ値を明らかにすることを目的とした。平均年齢20.0歳の大学生230名を対象に,B-mode超音波検査により脂肪肝の有無を評価し,ATIとの関連を横断的に検討した。脂肪肝は日本超音波医学会の判定マニュアルに基づき診断した。ROC解析の結果,ATIの最適カットオフ値は0.58 dB/cm/MHzであり,感度75.0%,特異度100.0%,AUCは0.938と極めて高い識別能を示した。さらに多変量ロジスティック回帰分析では,ATIは脂肪肝の独立したリスク因子であり(OR = 66.48, 95%CI: 30.99–101.97, p < 0.001),BMIや肝機能が正常でもATI値の上昇は脂肪肝の有病率と強く関連した。本研究は,若年層におけるATIの診断精度を初めて明らかにし,壮年期の基準値とは異なる年齢特異的カットオフ値の必要性を示したものであり,健診におけるスクリーニング法としての実用性が示唆された。

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