在宅医療の現場において,非侵襲的で即時性に優れた超音波検査は有用な診断補助手段であるが,その全国的な活用実態は十分に把握されていない。本研究は,経年変化の医科外来レセプトデータを用いて,訪問診療および往診における超音波検査の実施状況とその地域差・経年変化を定量的に分析した。都道府県別・診療形態別に算定割合を算出した結果,同一診療報酬体系下にもかかわらず,200倍を超える地域差が存在していた。また,全ての都道府県で訪問診療または往診における超音波検査の算定は確認されたが,その頻度には大きな差があり,特に活用頻度の高い地域と限定的な地域との差が明確となった。地域ごとの医療体制や診療スタイルの違いが背景にあると考えられる。本研究は,在宅医療の質向上と医療資源の適正配置に向け,地域ごとの実態把握と有効活用事例の共有の重要性を示すものである。