2026 年 75 巻 2 号 p. 328-334
現代の医療において,受診者安全と医療の質の向上は最重要課題である。特に,臨床検査室からの検査結果の伝達漏れや,異常値が見過ごされることによる治療機会の逸失は,重大な医療事故に繋がりかねない。病理検査における擬陽性以上や,臨床検査におけるパニック値(通常の基準値を大幅に逸脱し,受診者の生命に危険を及ぼす可能性が高い検査値)といった重要な結果が,医師から受診者へ確実に伝わり,必要な治療が迅速に開始されるプロセスは,見落としなく管理する必要がある。当検査室は,FileMakerを用いて,異常値追跡システムの構築と運用を行い,その有効性を検証した。本システムは,受診者が検査結果を確実に受領し,その後の治療に至るまでを継続的に追跡することを目的としている。