医学検査
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技術論文
TP抗体測定試薬「TPAb―ラテックス「生研」」の基礎性能評価および既存試薬との比較検討
廣垣 鼓生戸 健一佐藤 伊都子今西 孝充矢野 嘉彦千藤 荘
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2026 年 75 巻 2 号 p. 320-327

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抄録

新しく開発されたリコンビナント抗原を用いたTP抗体測定試薬「TPAb―ラテックス「生研」」の基礎的性能評価および既存試薬4種(LA法3種,CLIA法1種)との比較検討を行った。2019年9月~2020年10月までにRPR陽性もしくはTP抗体陽性となった患者235例およびRPR・TP抗体ともに陰性であった患者100例を無作為に抽出し,残余検体合計335件を対象とした。陽性濃度域の精度はCV 3.00%以内,測定範囲は5–500 U/mL,プロゾーンチェック機能も有し,共存物質の影響もなく基礎性能は良好で日常検査に有用であると考えられた。LA法による対照試薬3種類との定性一致率は試薬A:97.0%,試薬B:95.8%,試薬C:92.8%であった。定性不一致検体(18例)のイムノブロット法では,本試薬陰性例ではその殆どでIgGが検出され,既感染例と考えられた。本試薬陽性例(5例)は全例でIgGまたはIgMが確認でき,本試薬の非特異反応による偽陽性が不一致の原因とは考えにくかった。また,IgM(TpN17)を有する検体では,本試薬が唯一陽性と判定された。セロコンバージョンパネル測定結果では,イムノブロット法が検出した31日目に最も早期に陽性判定しており,本試薬はTpN17-IgMへの反応性が高く,感染早期検体の感度が優れている可能性が示唆された。

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