2026 年 75 巻 3 号 p. 520-529
脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)は心不全診断・重症度評価に有用である一方,測定試薬間差が課題である。本研究では,富士レビオ株式会社のルミパルスプレストBNP(LP-BNP),東ソー株式会社のAIA-パックCL BNP(AIA-BNP),アボットジャパン合同会社のBNP-JP・アボット(AJ-BNP)を用い,患者検体90例,各社専用コントロール,BNPコントロールシオノギを対象に,試薬間の相関性とコントロールの妥当性を検証した。相関性試験では3機種間で良好な相関(r ≥ 0.98)を得たが,測定値には有意差を認めた(p < 0.0001)。各社専用コントロールは検体による相関傾向と一致しない結果を示した一方,BNPコントロールシオノギは検体およびBNPコントロールシオノギの試薬間関係性の評価において,ほぼ全測定が予測区間内となり,検体と同様の試薬間関係性を示す可能性が示唆された。LP-BNPおよびBNPコントロールシオノギのLOT間差は認められなかった。以上より,BNPコントロールシオノギは精度管理用試料として有用であり,試薬間差の把握とハーモナイゼーションへの貢献が期待される。