目的:認知症高齢者の家族介護者の性別による介護経験の差異に着目し、国内文献における男性介護者、女性介護者の介護経験を整理し、明らかにすることにより、介護者の男女差を考慮した支援を検討する資料を得ることを目的とした。
方法:2000年1月~2015年3月に発表された国内文献を対象に医学中央雑誌を用いて検索し得られた論文14件を対象とした。文献中の記述から、男性の介護経験、女性の介護経験の各々を抽出し、質的に分析した。
結果:認知症高齢者の男性介護者の介護経験は、≪これまでとは異なる状況に困惑する≫≪責任感、感謝、愛情、自分でやるしかない状況から介護を決意する≫≪在宅介護を継続できる見通しを保持する≫≪サポートを得て、経験を社会に活かす≫≪心中を考えるまで追い込まれる≫≪自分にとっての介護の意味を見出す≫のカテゴリーに分類された。一方、女性介護者の介護経験は、≪自身の立場と社会規範を思慮し、介護を引き受ける≫≪被介護者との関係性の再構築を迫られる≫≪介護を続けることに困難を感じる≫≪理解してくれる人の存在が介護を継続させる≫≪被介護者への見方や介護への考え方を切り替える≫≪自分を中心とした介護に変えていく≫のカテゴリーに分類された。
結論:認知症高齢者に対する介護経験は、介護者の性別によって、介護を引き受ける経緯、介護に向き合う態度や行動、介護に対する意味づけに違いがみられた。