日本看護科学会誌
Online ISSN : 2185-8888
Print ISSN : 0287-5330
ISSN-L : 0287-5330
研究報告
中国における主介護者のエンパワーメント尺度の内容妥当性と翻訳妥当性に関する研究
――要介護高齢者の日常生活動作の維持向上に焦点を当てて
呉 小玉
著者情報
ジャーナル フリー

2007 年 27 巻 1 号 p. 1_23-1_33

詳細
抄録
本研究の目的は,博士研究で開発した日本版「中国における主介護者のエンパワーメント」93項目尺度案を中国でプレテストや本調査を行うために,3段階で内容妥当性と翻訳妥当性を検証することであった.検討した結果は,第1段階では,専門家3人により93項目から64項目に精錬された.第2段階では,エキスパート4人により64項目と概念要素を合致率とIndex関連指数で検討した.結果は,合致率が平均74.2%であり,関連指数が平均85.8%と高かった.その後22項目を修正して,64項目日本版となった.そして第3段階は,64項目を中国語に翻訳し,在日中国人2名により反訳し,翻訳の再現性が検証された.さらに10人より日本版と中国版を1週間あけてそれぞれ答えてもらったデータを量的な手法で検証した.結果は,Paired Samples Testで日本版対中国版の間有意差が見られず,相関係数が0.92と高かったため,翻訳の妥当性が検証された.
したがって,「主介護者エンパワーメント尺度」中国版は内容妥当性と翻訳妥当性が支持されたといえる.
著者関連情報
© 2007 公益社団法人 日本看護科学学会
前の記事 次の記事
feedback
Top