日本看護科学会誌
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研究報告
高齢者訪問看護の質指標開発の検討:全国の訪問看護ステーションで働く看護師による自己評価
山本 則子岡本 有子辻村 真由子金川 克子正木 治恵鈴木 みずえ山田 律子鈴木 育子永野 みどり緒方 泰子岡田 忍本田 彰子赤沼 智子根本 敬子深田 順子石垣 和子
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キーワード: 質指標, 高齢者, 訪問看護
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2008 年 28 巻 2 号 p. 2_37-2_45

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抄録

目的:高齢者訪問看護の質指標(16領域483指標)開発の一部として,全国の訪問看護ステーションで働く看護師を対象に,指標に関する実践の自己評価や指標についての意見を調査した.
方法:全国5,322カ所の訪問看護ステーションに10,644通の調査票を郵送し回答を得た.
結果:回答は3,068通(29.7%)あった.全領域で平均7割程度の指標が実施していると回答されていた.指標への「はい(=実施している)」という回答率は摂食・嚥下障害ケアや口腔ケアが低く,清潔ケア等が比較的高かった.情報収集,精神的支援,医師への報告など侵襲が少なく病棟でも一般的なケアは「はい」の回答率が高く,判断を伴うアセスメント,学習を要する特殊な技術の提供やケア実施後の評価は「はい」の回答率が低かった.全領域で「訪問看護で必要な項目が網羅されている」という意見が7割以上得られた.
結論:開発中の訪問看護質指標では,指標ごと,領域ごとに実施率にある程度のばらつきがみられた.今回の結果を参考にしつつ質指標の開発を進めていきたい.

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© 2008 公益社団法人 日本看護科学学会
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