日本看護科学会誌
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原著
腎移植患者の健康習慣と服薬アドヒアランスおよび腎機能とQOLの関連
池田 直隆河野 あゆみ
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2018 年 38 巻 p. 365-373

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抄録

目的:腎移植患者の健康習慣,服薬アドヒアランスおよび腎機能とQOLの関連について検討すること.

方法:腎移植患者238名を対象とし,自記式質問紙調査では,健康関連QOLを評価するためにSF-36v2,健康習慣を評価するために6つの健康習慣,服薬アドヒアランスを評価するために日本語版MMAS-8を測定した.電子カルテデータの収集は,分析対象者の基本属性,腎機能(eGFR値)を把握した.

結果:分析対象者142名のうち,健康習慣が良好である群と服薬アドヒアランスの高い群は,精神的QOLが高かった.混合効果モデルの結果,精神的QOLが高いことを有意に説明した要因は,良好な健康習慣,年齢,高い服薬アドヒアランス,肥満度であった.

結論:腎移植患者のQOL向上のために,良好な健康習慣と適切な服薬継続が実践・継続できるよう長期的な支援体制を構築する必要性が示唆された.

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© 2018 公益社団法人日本看護科学学会
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