目的:腎移植患者の健康習慣,服薬アドヒアランスおよび腎機能とQOLの関連について検討すること.
方法:腎移植患者238名を対象とし,自記式質問紙調査では,健康関連QOLを評価するためにSF-36v2,健康習慣を評価するために6つの健康習慣,服薬アドヒアランスを評価するために日本語版MMAS-8を測定した.電子カルテデータの収集は,分析対象者の基本属性,腎機能(eGFR値)を把握した.
結果:分析対象者142名のうち,健康習慣が良好である群と服薬アドヒアランスの高い群は,精神的QOLが高かった.混合効果モデルの結果,精神的QOLが高いことを有意に説明した要因は,良好な健康習慣,年齢,高い服薬アドヒアランス,肥満度であった.
結論:腎移植患者のQOL向上のために,良好な健康習慣と適切な服薬継続が実践・継続できるよう長期的な支援体制を構築する必要性が示唆された.