日本看護科学会誌
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原著
在宅がん患者の看取りにおける家族の対処の過程
吉田 彩
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2020 年 40 巻 p. 260-269

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抄録

目的:在宅がん患者の看取りにおける家族の対処の過程を明らかにする.

方法:がん患者の看取り期に訪問看護を利用した20名の家族を対象に,家族の対処の過程について半構造化面接を行った.分析は複線径路・等至性モデルを用いた.看取りの過程を一連の径路に示し,家族の対処とそれに影響した要因を検討した.

結果:対処の過程は2つに大別され,その差異は,患者が臥床がちになるなどの看取り期の変化の時期に生じた.患者の変化を捉え,昼夜を問わず患者のそばにいるなどの対処をとった家族は,心身の不調をきたしながらも,「自分ができるだけのことを一生懸命やれた」という認識に至った.一方,患者の死を予期せず自分の生活を優先するなどした家族は,「患者との死別や死の状況は受け入れがたい」という認識に至った.

結論:家族が心身の健康を保ちながら,看取り期の患者の変化に対処できる,介護への適度な距離を保つ必要性が示唆された.

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© 2020 公益社団法人日本看護科学学会
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