2020 年 40 巻 p. 270-278
目的:核家族世帯の母親が産後1か月から4か月までの期間にどのような育児ストレスを抱き,それにどのように対処してきたかを明らかにする.
方法:健康福祉センターで児の4か月児健診を受診した,単胎かつ正期産で20~34歳の母親に半構成的面接を行い,得られたデータを質的記述的に分析した.
結果:研究参加者は11名であった.母親は【母乳育児に対する苦悩】,【子どものペースに合わせることへの負担】,【2人の子どもと関わる中で生じる戸惑い】,【1人で育児を抱え込む気負い】という育児ストレスに対し,【周囲の頼れる存在を認知し自ら関わり頼る】,【母親自身で対応し自己完結する】という対処行動をとっていた.
結論:本研究により,母親誰もが育児ストレスを持ち得るものであることを医療者は認識し,母親が適切な対処行動をとれているかに焦点をあて,必要時に専門職のサポートを受けられる方法を育児ストレスの内容と併せて具体的に情報提供することの重要性が示唆された.