2021 年 41 巻 p. 220-229
目的:尺度開発の第一段階として,Siu et al.(2005)が開発したCLEQ(The Conditions for Learning Effectiveness Questionnaire)尺度を参照に,臨地実習における看護学生のエンパワーメントの構成概念を明らかにする.
方法:4年次の看護系大学生6名に半構造化面接を実施し,内容分析によりカテゴリ化した.
結果:CLEQ尺度の構成概念との比較により,下位尺度である【支援】,【機会】,【資源】,【情報】に加え,新たに【安心できる環境】,【患者との関わり】が重要な要素として明らかとなった.
結論:臨地実習で日本の看護学生がエンパワーメントを発揮するためには,【安心できる環境】や【患者との関わり】が特徴であり,今後の尺度開発ではこれらの側面を看護学生のエンパワーメントの構成概念に含むことが必要であると示唆された.